同人文化講究 (es sphere 2nd season)

同人文化の潮流と即売会での実践についての思索

DOUJIN JAPAN 2020 (仮) についての個人的妄想 1

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 12月23日、コミックマーケット準備会から、2020年5月GWにコミケット98が開催されること、そしてそれが『DOUJIN JAPAN 2020(仮)』というプロジェクトの一環として開催されることが表明された。

この、リリースにおいても2020年を「特別な年」(東京オリンピックパラリンピックと書けない苦労が伺える) と位置付け、オタク文化のアピールとサブカルチャーの情報発信をプロジェクトの目的に掲げている。こうしたビジョンと、リリース主体が東京ビッグサイトを利用している7団体ということにはギャップを感じなくもないが、これからどうプロジェクトとして立ち上げていくのか、注目していきたい。

 

2020年は、政府が観光ビジョンにおいて「訪日外国人旅行者 4,000万人の目標を掲げるマイルストーンであり (訪日外国人旅行者の受入環境整備 | 国際観光 | 政策について | 観光庁)、こうした旅行者増加につながるイベント/プロジェクトに対して、支援を受けやすい状況になることも確かだ。

コミケットは、2015年3月の「コミケットスペシャル6 OTAKU SUMMIT 2015」から海外イベントとの交流を急速に強化している。また、同イベントにおいて、オタクイベントの連合であるIOEA (International Otaku Event Association) を立ち上げた際にも、理事の一角を担うなど(日本からのもう一つの理事参加団体はニコニコ超会議)、主体的な役割を果たしている。こうした動きとも何かしらの形でリンクさせ「自由な表現の場」を守る力としていくことを狙っているのだと思われる。

日本の同人文化をアピールするときに留意すべきは、面としての多様性だ。ケットコムを見れば分かる通り、毎週のように日本のどこかで即売会が開催され、年間の同人誌即売会のイベント数は1,000を下らない (最近は数えてない……)。サークルが自主的に企画するオンリーから、各地で定期開催されるシティやスタジオYOUのイベント、コミケットのような巨大なオールジャンルまで、同人誌即売会を一括りにするのは難しい。どのように「草の根」イベントを、それぞれの負担にならない形で巻き込み、外国人を含む相互送客 (客じゃないけど、適切な言葉がないのでご容赦を)につなげていくのか、一個人としていければと思っている。